2022-03-02
それぞれが得意な分野で起業し、独立。
その後、ご主人の地元である長野へ移住。
働く場所を変えたら、事業内容までもが変わり、現在は地方創生事業を通じて、社会貢献への一歩を進み始めました。
今までの働き方から大きく方向転換をし、住む場所まで変わった、まさに「働き方を変えた人たち」
お二人はどう働き方を変えたのか、詳しくインタビューさせていただきました。
それぞれが専門分野で独立。そして働く場所までも変えていく。まずは独立当初のお話を聞かせてください。
中村:
まずは、自己紹介をお願いします。
岩下さん(以下岩下):
岩下知史(いわした ともふみ)です。
一般社団法人 思考選択行動アカデミーの代表理事として地方創生と人材育成の2大テーマで事業を行っています。
地方創生の事業としては、群馬県の行政のサポートと人材育成事業では
個人の経営者、個人のコーチングやチームビルディングをメインとして活動しています。
金澤さん(以下金澤):
金澤萌美(かなざわ もえみ)です。
営業代行、コーチングが主な事業です。岩下さんの会社では、広報代行の部分で参画しています。
中村:
ご夫婦ですが、別姓なんですね!
金澤:
はい。そうなんです。
中村:
2人でお仕事をしていらっしゃると思うのですが、この働き方になる前は何をされていたのか教えてください。
岩下:
ぼくはコーチングという軸は同じではあるのですが、主に副業に興味がある人に対して、副業の始め方を教えてました。
中村:
それはいつ頃ですか?
岩下:
2018年〜2020年までです。
2020年10月頃から徐々に今の仕事にシフトしました。
金澤:
私は、女性起業家向けにセールスのコンサルティングや、商品作りのサポートで起業しました。
それが2018年頃でした。
その時の本業が忙しくて、会社をやめて、アルバイトしながら起業しました。
その後、法人からのご縁をいただいて、法人向けの営業支援に舵を切って今に至ります。
そして、長野へ移住。田舎暮らしで得たものとは。
中村:
今は長野にお住まいなんですよね。なんで長野だったんですか?
岩下:
私の地元でもあり、近くに実家のある長野に移住しました。
都会より、田舎の方があってる気質なんです。
元々は愛知に住んでいたのですが、すっかり居着いてしまいました。
金澤:
私は中学生くらいから、将来結婚して、子供を産むとしたら自然豊かなところで暮らしたいなとざっくりと考えていたんです。
だから長野って選択肢が出てきた時、「めっちゃいい!」って思いました。
中村:
私も軽井沢には昔よくいってたんです。軽井沢には近いんですか?
岩下:
軽井沢は2時間くらいかかりますね。軽井沢は長野の中では都会で、リゾート地なんで、ちょっと雰囲気もちがいますね。
中村:
お互いに起業して、その後地方創生に携わろうとしたきっかけがあったんですか?
岩下:
コロナ前からオンラインで仕事をしていて、働く手段は変わっていないのですが、自然の中に身をおいた時、本来の自分に立ち戻った感じがしたんです。
心地が良いのと同時に、なぜか長野に戻った時に事業の売上が上がったんです。
理由はわからないのですが、居心地が良いからこそエネルギーが上がったんじゃないかな?と思ったんですよね。
その人その人にあった場所で働くって、大切なんだなと思いました。
そこから3〜4ヶ月考える時期があったんですが、そこからふと、地方創生に携わりたいというひらめきが湧いてきたんです。
中村:
ひらめき!すごいですね!
岩下:
実際は、壁打ち相手になってくれた人もいて、いろんな話もしてきたのですが、なんでって言われると、なんでだろう?っていまだに思いますね。
中村:
居心地のいい環境に浸るって、すごい大事なんですよね。
我が家も、主人が会社を辞めて、私の会社の社員という形になって、そして2人目を出産して、この一年はずっと一緒にやってきたんですが、誰かが家にいると安心するんですよね。
ちょっとなんかあっても大丈夫っていう気持ちになれるんです。
そうしたら、私も去年私も売り上げがよくて。
今私が住んでる葉山も、自然が多いので、そういうのもあるのかな。
なんでと言われても、説明はできないんですけどね。
じゃ引っ越せばいいのか?っていうとそういうわけでもないじゃないですか。
岩下:
人によっては都会の方がいいひともいますもんね!
中村:
売り上げも上がって、働く環境もよくなって、2人の中で変わったことってありますか?
岩下:
なんだろう。
奥さんはガラッと環境が変わったんじゃないですかね。
中村:
萌美さんは、都会で営業をバリバリやっていて、きっとハイヒールでカツかつ歩いていたと思うんですが、そこから長野に来て、何か変化はありましたか?
金澤:
働き方でいうと大阪や東京の時は、リアルで会うのが好きでした。
長野にくるちょっと前からオンラインに切り替えて、働き方はガラッと変わりましたね。
岩下:
あとは、仕事とプライベートの境目が薄くなりました。
中村:
夫婦が一緒にいると、いい面もあるだろうし、ちょっと違うなという面もあるんじゃないですか?
岩下:
いい面は、お互いの仕事のフィードバックもしあえるし、フォローもしあえるし、やりとりが早いし、頼りがいもあるし安心ですね。
ずっと一緒にいることに、僕はそんなに気にならないタイプですが、もしかしたら奥さんは外にでたいタイプかもしれないですね。
金澤:
ずっと一緒にいると、びっくりする面はありますよね。
自分たちでも、引くくらいずっと一緒にいるので。
でも、なんとなくいい感じの距離感が途中から掴めてきたので、人と喋りたいなと思ったときは外に出て人としゃべったり、
彼は彼で1人で思考の整理をしたいというときは、1人で出かけていったり、
東京や群馬に出張することが月に1回くらいあるんですが、それが息抜きになってるかもしれませんね。
地方創生の事業を通じて、社会に貢献できる働き方へのジョブチェンジ
中村:
群馬で地方創生の仕事をしてるんですよね?
岩下:
はい。
ホームページの作成とか、見せ方とか、記事の作成とか色々とたずさわっています。
中村:
地方の仕事に携わってみて何か感じることはありますか?
岩下:
長野なのに、なんで群馬なんだって感じですが笑
知り合いを通じて、地元の新聞社の方と知り合って、パートナーシップを組んで、群馬の行政に入っていきました。
同じ地方といっても、群馬は群馬で、長野とはまた全然違うんです。
自分の地元じゃないからこそ、見えてくるものがあって、いいところや、大変そうなところが見えてくるんですよね。
隣同士の件なのに、全然違う魅力や、逆にデメリットもあるんですよ。
そういうのが面白いんですよ。
中村:
地方創生のお仕事って、具体的にはどうしたら観光客がくるかとかそういうことをサポートされているんですか?
岩下:
群馬って草津とか伊香保とかの有名な温泉地があるんです。
僕の携わっている東吾妻っていうのは、ちょどその通り道なんですよ。
ここを目的にしてくるひとは少なくて、温泉にいくまでにどれだけ立ち寄ってもらうかとか、どれだけ滞在時間を伸ばしてもらうかとか、そういうのを考えています。
街の人たちと一緒にやっていくんですけど。面白いですよ。
中村:
副業を教えていた時とガラッと変わりましたね。
岩下:
あの時も面白かったんですが、その先に大きな目的みたいなものが欲しくて、単純に社会に貢献できるので、やりがいがあるんですよね。
そこに地方創生の仕事の魅力を感じています。
中村:
地方創生の仕事のかたわら、思考選択行動アカデミーを主催されているんですよね?
岩下:
本質的には人材育成をやりたいんです。
どこにいっても人の問題なんですよね。地方創生の現場でもそうなんです。
自分のことばかり主張しすぎたり、無意識で足を引っ張りあってしまったり、言いたいことが言えなかったり、だから、なかなか課題が解決しなかったりもするんですよ。
そういう時に、どういうコミュニケーションをとるかというのは人材教育の分野なので、そこは両軸でやっていきたいです。
中村:
普通の会社でも、営業マンの中でもありますよね?
本人なりの理由があるのでしょうけど、会社をよくするという観点で考えた時は不利益なことですよね。
コミュニケーションをよくしたり、人間関係の解決をして会社やチームをよくしていくサポートをしているんですか?
岩下:
はい。そうですね。チームビルディングの部分ですね。
中村:
人材育成のサポートをしたところは、どんな成果が出ているんですか?
岩下:
まだ一年なので、大きな成果はこれからだと思っています。
それでも、群馬の役場の方達からも、この一年はだいぶ物事が進んだと、そういう声を聞いています。
中村:
役所だけだと進めないものなんですかね?
岩下:
地方の抱える問題の一つだと思うのですが、決裁を得ながらとか、街の人の声を聞きながらというのが前提にあるので、簡単に進めることができない。
そこが行政の仕事の難しいところだと感じています。
中村:
やりがいがあるんですね。頑張れちゃうのはなぜですか?
岩下:
長野に来てエネルギーをもらったのか、感覚が変わったからだと思っています。
中村:
田舎に住むと気持ちが変わるのかな?
金澤:
私は自分の感覚がよくわかるようになったのが一番大きいです。今となっては都会でも楽しくやれると思うけど、当時は殺伐とした感じでした。
仕事も頑張らなきゃ、勉強もしなきゃと追い詰められてる感じが大きかったんです。
自分を労るという感覚が感じられる時間がもてていなかったんです。
長野にきて、すごく安心感を感じたり、満たされている感じがベースにある上で、頑張ろうという感じがしています。
前提が大きく変わりましたね。
中村:
前提が変わると、行動や結果も変わりますよね。
岩下:
間違いなくありますね。今までやらなかったことをやれるようになったり。
人に優しくなれたりしますね。
金澤:
わたし都会を歩くの下手になりました。
たまに東京に行って、いつもの感じで歩いてたら、人にぶつかっちゃうんです。
田舎で働き、田舎で暮らす。リアルな日常を教えてください。
中村:
私の住む葉山も都会から1時間くらいなんですが、全然都会とは雰囲気が違いますよね。
長野で生活や仕事をする中で、一番良かったことってなんですか?
岩下:
僕は、目の前に自然があるところです。すぐに気持ちが切り替えられる、パソコンをみてたと思ったら、外を見たらすぐ先に山があるんです。
その切り替えが僕にとっては一番重要でした。
金澤:
自然があることはいいなと思ってます。自然にすごく助けられてる。
でも、一番は人の距離感かな。
いい意味でドライなんです。安曇野は親切な人や、話しかけてくる人もいるけど、ぐいぐい生活に入ってくることはないですね。
車も、歩行者がいたら絶対止まってくれる心の余裕がある方ばかりですが、適度にほっといてくれる。
その適度な距離感が素敵だなって思ってます。
中村:
ご近所との距離感はどうですか?
岩下:
道で会ったら挨拶する程度です。
困ったら助けるだろうし、そうじゃなければ干渉しないです。
中村:
私は、地元が新潟の村だったんですが、噂話がすごい地域でした。
安曇野はそういうことはなく、ちょうどいい距離感なんですね。
金澤:
いい距離感で付き合えています。
岩下:
安曇野は一部過疎化地域に入ってしまって、決して人口が多いわけではないんですよ。
ただ、お金持ちの方が家を立ててるんです。
大企業の社長さんや、有名人が引っ越してきたり。
綺麗だし、寂れた田舎ではないので、ちょうどいいのかもしれないですね。
東京まで電車で3時間、車だと4時間くらい。
家の近くから東京までバスも使えるんです。
奥さんは免許がないので、そこは大変かもしれないです。
金澤:
免許はとってもいいけど、まぁいいか。と思って、ついついずっとそのまま。
岩下:
家賃は本当に安いですよ。都会に比べたら2/3くらいですね。
中村:
心身ともにリラックスして仕事ができているんですね。
岩下:
はい。相当リラックスできてますね。
これから独立する方や、移住を考える方へ
中村:
これから事業を伸ばしていくと思うのですが、働き方に迷っていたり、起業したけどこの先どうしようと悩んだり、起業したけど会社員に戻ったり、いろんな選択を考えている方がいらっしゃると思うのですが、その方達に向けて、独立して良かったことを教えてもらえますか?
岩下:
責任を持って自立して考えることができるし、チャレンジすることができるところがよかったです。
帰ってくるフィードバックはシビアだけど、生きがいや充実感は圧倒的に感じています。
中村:
会社員の時は、感じられなかったんですか?
岩下:
どれだけ優秀でも、圧倒的に世界が狭かった。
外の世界を知らなかったですね。
嬉しい面も厳しい面も、一言では言えないけど楽しいです、エキサイティングですね。
金澤:
充実感ですね。自分で考えて、自分でやりたいという性格ではあるので、自然な流れで独立しました。
会社員の営業時代からかなり自由にやらせてもらっていた、。個人事業主のように動いていたんですが、いざ独立してみると、より自由になりましたね。私にとっては自然な流れでした。
中村:
できる営業マンは企業に勤めていても、自由にさせてもらえるんですよね。
逆に、独立して悪い面はありましたか?
岩下:
家を買うからローンを組むとか、社会的な信用においてはシビアですよ。そこは覚悟が必要ですね。
中村:
私もこの家を買うときに、主人が会社員だったので、買えましたけど、社会的な信用というと今は難しいかもしれないです。
会社の売上で見てもらえたらいいんですけどね。
法人や役所と仕事をスタートするときにも、最初は何者ってなりますよね?
そこの信頼はどうやって築いていったんですか?
岩下:
まだまだ道半ばですが、大きな協会に繋がりがあって、そこに集まる方から信用をいただいて少しづつ広がっていきました。
目の前の人から少しずつですね。
もし、何かのきっかけで、突然大きなところと繋がっても、多分それには応えることができなかったと思います。
中村:
やっぱりコツコツなんですかね?
岩下:
地味ですけど、そうですね。
中村:
最後に、働き方を変えたい、住むところも変えたいと思っている方へ、お二人から、こんなことした方がいいよというアドバイスやメッセージをお願いします。
岩下:
地方創生、地方移住も増えてきて、行政側も受け入れや情報発信に力を入れてきています。
数年前より情報が圧倒的に得やすいです。
だからこそ事前に色々と調べて欲しいと思います。
、
オンラインでの面談もできると思うし、住んでる人や移住経験者の話も聞けるので、いきなり良さそうというイメージっだで決めないで、色々と調べたり、聞いて欲しい見て欲しいなと思っています。
金澤:
私の場合は、運が良くて移住しました。彼が長野出身で、いざ安曇野に移住したら、たまたまものすごい自分にあっていたんです。
だから私は下調べはしていなかったんですが、いろんな経験者の人からはなし聞いたり、オンラインでの移住経験者の話を聞けたりもするので、とにかく情報収集は必要かなと思います。
あとは、自分の生き方、働き方の理想を考える、感じてみるのは、時間がかかっても手を抜かずにやったほうがいいなと思います。
中村:
私も新潟に移住するとき、旦那さんが新潟で就職したらどうなるか聞いてみたことがあるんです。
市役所の方とオンラインで面談したんですが、その時も、就職のお祝い金が出るってお話されれてました。
以前は、個人でどう成果を出すかを考えていたと思宇野ですが、今は行政と仕事をしているって、本当にすごい働き方の転換でしたね!
中村:
一日のスケジュールも変わりましたか?
岩下:
仕事だけをやっていられなくなりましたね。
家事もやらないと。1人なら食べるものも、なんでもいいんですけどね。
中村:
食べるものも変わりましたか?
岩下:
2年弱前からトレーニングを初めて、余計な脂質を取らないとか、健康に対する考え方も変わったかもしれないですね。
それで、5キロくらい痩せました。
中村:
いいことだらけですね!
岩下:
8割はいいことばかりです!
今日お二人のお話を聞かせてもらったことで、「都会も田舎も含めて、それぞれが自分にあった環境を選んでみよう!」という選択肢に気づいてもらうきっかけにしていただけたら嬉しいなと思います。
本日は長い時間ありがとうございました!
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