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2022-03-23

こんにちは。

「10年後にお金を2倍にするマネープランニング」がコンセプトの

ファイナンシャルプランナーの川井えりかです。

 

 

 

 

whabitのコラムの読者さんは、起業家や起業予定の女性が多いので、
今回は起業について私の実体験を書きたいと思います。

 

 

起業して間もない方、起業準備中の方に参考にしてもらえたら嬉しいです。

 

 

はじめに私の経歴を少しだけ。

 

 

2014年に、個人事業主として開業しました。
個人事業でファイナンシャルプランナーとしてマネーセミナーやコンサルをはじめました。

 

2018年に、株式会社EDU(エデュ)という法人を設立しました。
個人事業とは別の新規事業のために設立した会社なのですが、
今は新規事業の他にファイナンシャルプランナーとしての仕事の一部も法人で受けています。

 

 

そのため今は、個人事業主であり、会社経営者であり、そして実は会社員でもあります。

 

 

法人を設立してから、正直、「これは困るな~、面倒だな~」と思ったことがいくつかあります。(特にお金面です)

 

どれも、事前にきちんと調べておけばよかったことばかりです。
今回はそのお話についてご紹介したいと思います。

 

 

 

法人は赤字でも税金がかかる

 

 

黒字経営の方には関係のない話ですが・・・

法人は、赤字でも税金がかかります。

 

 

ファイナンシャルプランナーという仕事をしておきながら誤解していたことがありました。
「税金は、利益が出たら払うもの」これは個人事業主のルールです。

 

 

法人は赤字決算でも「住民税」が必ずかかります。

 

 

従業員数と資本金の額によって金額が変わりますが、私が登記した東京23区内だと、最低でも年間7万円はかかります。(自治体により異なります)

 

 

わが社は設立からずっと赤字なので(笑)
利益が出ていないのに毎年7万円必ず納税です。

会社が存在しているだけで7万円もかかるなんて、高いです・・・。

 

 

これを知っていれば、新規事業は黒字になるまでは個人事業、
黒字化してから法人を設立したかもしれません。

 

 

 

引っ越すたびにお金がかかる

 

これは引っ越し代のことではありません。「登記費用」のことです。

 

 

法人を設立するときは、公証役場で定款を認証してもらい、法務局に登記をします。
これは個人事業主にはない手続きで、会社を設立するのに少なくとも20万円くらいの費用がかかります。

 

 

私は自分で公証役場と法務局に行って手続きしたのでこの程度でしたが、司法書士に依頼すると別途報酬を支払う必要があります。

 

 

法人の登記情報には、「本店所在地」が記載されています。
これを自宅にしている人は注意です。

 

 

引っ越しをして住所が変わると、会社の本店所在地も新住所へ移さなくてはなりません。

 

 

個人事業主であれば、税務署に納税地の変更の届出をするだけですが、法人の場合は本店所在地変更の登記手続きが必要です。

 

 

登記手続きには3万円の費用がかかります。
住所変更だけで3万円、高いです・・・。

 

 

ちなみに、自宅とは別に事務所を構えていたり、シェアオフィスの住所利用サービスなど自宅と異なる所在地で登記している人も、引っ越しには注意です。

 

 

登記情報には、役員の住所も記載されています。
会社の所在地は変わらなくても、引っ越しして役員の自宅住所が変わった場合も登記手続きをします。その費用は1万円。

 

 

私は「勉強のため」と思って自分で法務局へ行きお金を払いましたが、これも司法書士へ依頼すると別途報酬がかかります。

 

 

ということで、「こんなことでお金かかるの?!」
という出来事が法人設立後に何回かありました。

 

 

 

社会保険の加入

 

新たに法人を設立すると、数カ月以内に間違いなく年金事務所から通知が届きます。

 

 

「法人をつくったなら、社会保険に加入してくださいね。法人の義務ですよ。」という内容です。

 

 

個人事業主は、売上から経費を引いた残りは全部自分のものですが、法人は、売上と経費に関係なく、予め決めた「役員報酬」を毎月定額で受け取ります。
会社員がお給料を受け取るのと同じしくみです。

 

 

この、役員報酬に対してきちんと社会保険料を払って、健康保険と厚生年金に加入しなくてはならないというルールが法人にはあります。

 

 

自分ひとり、または家族だけで経営している会社でも、法人であれば社会保険は強制加入です。

 

 

社会保険の支払額は、報酬の金額により例外があるものの一般的には役員報酬の約30%です。

 

 

月50万円の役員報酬と決めたら、毎月約15万円、社会保険料を支払います。
15万円のうち半分は会社が支払い、残り半分は役員報酬から天引きです。

 

 

といっても、経営者からしてみれば会社が払うものも、役員報酬から天引きされるものも自分のお金です。

 

 

つまり報酬の30%くらいの経費(社会保険料)がかかると思っておいてください。

 

 

起業して間もない頃は、旦那様が会社員なら、その扶養に入った方が得なこともあります。
旦那様の収入だけで生活に困らないなら、自分の会社の役員報酬はゼロにして、配偶者の扶養に入るのです。

 

 

社会保険料は役員報酬の金額の約30%という計算の仕方ですから、役員報酬がゼロなら社会保険に加入しなくても大丈夫です。

 

 

会社員を続けながら起業する人も同じです。
私自身、会社員をしながら法人を設立しました。
そのため年金事務所に相談して、勤務先から給与を受け取っていて社会保険に加入していること、役員報酬がゼロであることを伝えたところ、「将来、役員報酬が発生したら社会保険に加入してくださいね。」という回答でした。

 

 

このあたりは、家族構成や働き方により一人一人考え方が異なりますので、「余計なお金は払いたくない!」という人は、法人を設立する前に相談してください。

 

 

 

法人を設立して良かったこと

 

法人を設立して後悔したこと(想定外だったこと)を書きましたが、私自身は法人を設立して良かったと思っています。

 

 

最後に、良かったことをお伝えします。

 

 

・創業融資等で資金調達ができる
・助成金や補助金などの資金調達手段が充実している
・取引先の信用
・決算月を選べる(個人事業主は必ず12月)
・経費の幅が広がる
・法人のお金で社宅や社用車を持てる
・老後資金(退職金)を法人のお金で準備できる
・社長と対等に話せる
・社長の気持ちがわかる
・「会社をもってるなんて凄い!」と言われる(実はそんなに凄いことではない)

 

 

まだまだ挙げるとキリがありませんが、職業柄、社長と接する機会が多いからなのか、
法人を作ったことはメリットの方が多かったです。

 

 

ということで、起業間もない方、または起業準備中の方には是非前向きに進んでほしいと思っています。

 

 

ただし、私のように後悔することのないよう、想定外を想定して準備をすることが大切です。

 

 

会社経営が上手くいくことを、願っています!

 

 

 

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ファイナンシャルプランナー

川井えりか

この記事のライター

お金のプロフェッショナル、 ファイナンシャルプランナー

川井 えりか

女性のための初めてのマネーセミナー講師を担当します。 東京都在住/3歳女の子ママ
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